子どもの病気コラム
突発性発疹症について
こんにちは。Sunnyキッズクリニック院長の若林です。
今回は突発性発疹症について勉強していきます!
突発性発疹症ってなに?
突発性発疹症は、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)、ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)を原因ウイルスとして発症するウイルス感染症です。
99%の人が3歳までに罹患します。多くは1歳前後の初めての高熱の時の原因となるウイルスで、3−4日の発熱後に体幹部→手足・顔への発疹出現の順番で経過します。基本的には終生免疫なので1回の感染で済みますが、HHV-7は遅れて感染する可能性があり、HHV-7による突発性発疹症が、2度目の突発性発疹症として発症することもあります。しかしながら、感染すると必ず症状がでるわけではなく(不顕性感染)、20-40%は症状がなく経過することがあるとの報告もあります。
主な感染経路は、パパ、ママ、兄弟の飛沫(唾液、鼻水)から感染します。3歳以上の方は突発性発疹症の原因ウイルスにすでに感染しており、体内に潜んでいます。また唾液などから少量のウイルスを常に排泄しています。
生まれて6か月程度まではママからへその緒をつうじてもらった移行抗体によって免疫がある状態ですが、段々とこの抗体は出生後から減っていくので、移行抗体が消失した後に感染します。どのお子さんも必ずかかる感染症なので特別な隔離などは必要ない病気です。
どんな症状があるの?
咳や鼻水といった感冒症状がなく、熱だけが出現していることが多いです。その他、年齢などから判断します。しかしながら解熱後に出る発疹で診断が確定するので、クリニック受診時は可能性があるという判断しかできません。
典型的な経過としては38度以上の発熱が3−5日程度続いたあと、熱が下がるタイミングで、発疹が体幹部(胸・お腹・背中)から出現します。その後手足、顔へと広がります。
検査や診断はどうするの?
原因を確定する迅速検査はなく、解熱して発疹が出るという経過からしか、診断をつけることができません。
治療はどうするの?
ウイルス感染症なので特効薬はありません。対処療法という症状を和らげる治療が中心となります。
突発性発疹症では高熱が出ることが多く、1歳前後の初めての発熱といったエピソードが多い為、パパ、ママが焦ることも多いです。高熱が出ていても全身状態が良ければ焦る必要はないので、お子さんの泣き方は元気があるか、顔色は問題ないか、呼吸は苦しそうじゃないか、水分は取れているか、おしっこはでているかなどを注意深く観察してください。
その他:発疹が出たら病院を受診したほうがいい?
突発性発疹の発疹は痒かったり痛かったりするものではありません。その為経過を見ていて問題ないです。1週間ほどで段々と薄くなっていきます。しかしながらお子さんが痛がったり、痒がったりする場合には、他の原因で生じた発疹が混ざっている可能性もあると思いますので、医療機関の受診を検討してください。
普段からの手洗い、アルコール消毒、うがい、マスク着用などの咳エチケットで予防を心がけていただければと思います。
お困りの際はいつでもご受診ください。
ではまた!
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