子どもの病気コラム

小児皮膚疾患

なかなか治らないこどものオムツかぶれ 治療のコツを紹介します!

Sunnyキッズクリニック院長の若林大樹です。

当院でも下痢などが長く続いた後のオムツかぶれに関して相談していただくことがよくあります。

お尻がかぶれて赤くなるとお子様も痛がりますし、その様子をみるご家族も辛いですよね。使う軟膏は同じでも塗り方によって治り方は劇的に違います。

今日はオムツ皮膚炎に使用する軟膏の塗り方のコツをお伝えいたします。

オムツかぶれはなぜ起こるの?


原因は、オムツの中の環境にあります。

お子さんのおむつの中は、おしっこやウンチの汚れおむつ換えの時の刺激蒸れた環境など、皮膚への刺激が多くなっています。

特に下痢をした場合には、
上の3つの要因が全て増悪するので、すぐにおむつかぶれを起こします。

治療はこの3つを解決することが大事です。

汚れが皮膚につかないようにする
オムツ替えの刺激をなくす
むれないようにする

この3つを意識して軟膏を塗ることが大事です。

 

オムツかぶれに使用する軟膏は?

おむつかぶれには亜鉛華単軟膏(サトウザルべ亜鉛華軟膏などを用います。

両者は大きな差はありませんが、基材が違います。

ざっとした特徴としては、

亜鉛華軟膏の方が
ベタつく分、皮膚の密着が強い
亜鉛華単軟膏の方が
ベタつきは少ないですが、皮膚への密着が劣っています。


この軟膏ですが、塗り方のコツを抑えるだけで

オムツかぶれが治る可能性がぐんと増します。

ここだけは必ず読んでください。

ポイントは

分厚く塗ることです。

「オムツかぶれの部位にこんなに塗るの?」
って思うぐらい
べッタリ塗ってください。
厚さ1-2cmぐらいです。

大体のご家族から、
「こんなに塗って大丈夫ですか?」
って聞かれますが、

大丈夫です😁👍

オムツ交換の際には付着したウンチと一緒に表面の亜鉛華軟膏を拭き取ります

ここでのポイントは
全部の軟膏を拭き取らない事

皮膚に付着した部分まで亜鉛華軟膏を取り除くとかえって皮膚に刺激を与えてしまいます。

表面だけ拭き取れる様に軟膏は分厚く塗る必要があります亜鉛華軟膏の層が薄くなってきたら再度分厚くしてください。

あとは1日1回入浴時に亜鉛華軟膏をしっかりお風呂で、石鹸(ボディソープ )を使って洗い流してください。

荒れた部位に刺激を与えない様に、上記の方法を用いることで

洗う回数を減らして刺激を避ける
皮膚の清潔を保つ

両方を両立することができます。


なかなか治らないオムツかぶれで考えることは?


オムツかぶれではなく、実はカビが原因の場合です。オムツの中は、蒸れて湿気が多い為、カビが増殖しやすいためです。またオムツかぶれを起こしているときは皮膚のバリアが壊れている為、カビが入り込み、感染を起こしやすい状況になっています。

この場合は、通常の亜鉛華軟膏の治療だけでは治らない為、別のカビに効く薬(抗真菌薬)を使用する必要があります。

まずは一度治りにくいオムツかぶれがある場合にはクリニックを受診していただけたらと思います。
一緒に治療方法や塗り方を勉強していきましょう。

ではまた!