もしも子どもがコロナにかかったら?
第7波になり子どもの新規感染者数が激増しております。それに伴い、以前の流行と比較しクループ症候群、熱性けいれん、嘔吐・脱水により入院を要する症例や、稀ではありますが脳炎・脳症、心筋炎などの重症例、そして残念なことに亡くなってしまう症例が第7波で増加しております。
お子さんがコロナになった際お困りの親御さんが多いかと思います。お子さんがコロナになった際の緊急受診の目安、自宅療養に役立つサイト・ハンドブック・アプリなどをご紹介したいと思います。
◎お子さんの緊急受診の目安・観察ポイント
コロナであってもその他の疾患であっても、お子さんにおいて緊急で病院受診が必要な目安は大きくは変わりません。
●生後3か月未満のお子さんの発熱
生後3か月未満のお子さんの38℃以上の発熱は、お子さんがどんなに元気であっても緊急で病院受診をしてください。ただし小さいお子さんほど『うつ熱』といって、着ている服や環境温で熱がこもりやすいため、一時的な体温上昇の可能性があります。涼しい状態にした上で30分後くらいに再度検温し、38℃以上の際はすぐに受診してください。
●水分がとれない、ぐったりしていて顔色が悪い、苦しそうな呼吸をしている
上記の場合は緊急での病院受診を考えていただければと思います。
特にオミクロン株は発熱、咽頭痛により食事や水分摂取が困難となる例があり、低血糖や脱水で入院が必要になるケースがあります。水分が中々取れない例や、呼び掛けても反応が鈍い・すぐに眠ってしまう(傾眠傾向)、顔色が悪い場合は緊急での受診をしてください。
苦しそうな呼吸とは以下のような状態を指します。
・肩で呼吸をしている場合
・鼻の穴をピクピクさせる呼吸(鼻翼呼吸)
・肋骨の下や鎖骨の上がベコベコするような呼吸(陥没呼吸)
・呼吸回数が多い(年齢問わず60回/分以上)
・『ゼイゼイ』『ヒューヒュー』するような呼吸、『ケンケン』『バウバウ』という咳
特にオミクロン株流行により犬やオットセイが鳴くような咳(ケンケン、バウバウ)が特徴的なクループ症候群を呈するお子さんが増えていると言われています。上記のような苦しそうな呼吸を認めた際は緊急での受診をご検討ください。
●けいれんした場合
オミクロン株流行により熱性けいれんが増えたと言われております。以下の場合は緊急での病院受診をしてください。
・初めてのけいれん
・5分以上続くけいれん ← 救急要請
・けいれんが数分で治っても、なかなか意識が戻らない(30分程度)← 救急要請
・24時間以内に複数回けいれんを認めた場合
上記にすぐに病院受診した方がいい目安をあげましたが、お子さんがけいれんしている際に冷静に観察するのは難しいかと思います。お困りの際はすぐに救急車を呼んでしまって良いかと思います。
すぐに病院受診をした方がいい目安をあげさせていただきました。逆に元気があって、水分が取れている状態、つまりは『食べる・寝る・遊ぶ』ができている状態であれば、すぐに受診する必要はないかと思います。
◎自宅療養に役立つサイト・ハンドブック・アプリ
お子さんがコロナになった際や、親御さんがコロナになった際など注意点などが詳しくまとめられているサイト・ハンドブック・アプリをご紹介いたします。お困りなさいは以下をご活用いただければと思います。
●国立成育医療研究センター 自宅療養される際のポイント
https://www.ncchd.go.jp/news/2021/210817.html
●東京都 新型コロナウイルス感染症 自宅療養者向けハンドブック
●教えて!ドクター
緊急受診の目安や、あらゆる疾患についても詳しくまとめられたスマートフォンアプリを以下から無料ダウンロードできます。
まだまだ第7波の収束は見えず、不安な日々が続くかと思います。何かお困りな際は当院、#8000、管轄の保健所などにご相談いただければと思います。