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小児におけるコロナワクチン 接種に関して②  接種対象者は?副反応はどうなの?

Sunnyキッズクリニックの若林です。

日本でも少しづつ小児の患者さんのコロナワクチン接種が始まっています。
小児科学会から、ワクチン接種に関する提言が出ていますので、わかりやすく解説していきます。

本日は接種対象者についてと、副反応に関してです。
一緒に勉強していきましょう!

どの様な持病が、コロナワクチン優先接種対象者に当てはまるの?

子ども達は重症化する患者さんの数も少なく、大人ほど明確なリスク因子は明らかになっていません。

今までの子ども感染などの限られたデータを基に考えると、神経疾患、脳性麻痺、慢性肺疾患、慢性心疾患、ダウン症候群をはじめとした染色体異常症、悪性腫瘍や移植などによる免疫不全状態、高度肥満などが感染時の高リスクと考えられます。

このような基礎疾患を持つ子ども達(12歳以上)は、普段かかりつけの主治医とワクチンのメリットとデメリットとのバランスについて相談していくとよいでしょう。

 

副反応について

子供たちの接種は疼痛などの副反応は起きやすいの?

日本では、12歳以上の子どもへの接種は、まだほとんどの自治体で始まっていませんので、副反応の頻度に関するまとまったデータはありません。
海外のデータを参考に、今後、日本での副反応についても慎重に解析することが望ましいと考えています。 なお、海外のデータでは接種部位の疼痛の頻度は全対象の約90%と高く、発熱、全身のだるさ、頭痛の頻度は各年齢層の中でも、若年成人が多いと統計があります。

副反応の心筋炎は健康な子供が接種した場合も発症しますか?

これまでの国内の情報からは、新型コロナワクチン接種後の心筋炎は、思春期から若年成人の男性に多いとされます。1回目より2回目接種後の方が多く、特に2回目の接種後、1週間以内が多いとされています。

2021年9月7時点では、どの様な方が、ワクチン接種後に心筋炎を発症しやすかということはわかっておらず、起こしやすい体質や環境要因などはよくわかっていません。
また、基礎疾患がある方が心筋炎を発症しやすいというデータもありません。

そのため小児において優位に接種後の心筋炎発症の確率が高まるということはありませんが、今後ワクチン接種が進みデータが集約化される事が望まれます。

コロナワクチン 接種後の心筋炎は重症化しますか?

新型コロナワクチン接種後に発生した29歳以下の心筋炎/心膜炎患者さんに関してまとまったデータが、アメリカの米国CDC(Centers for Disease Control and Prevention)から出ています。
述べ742人のうち(2021年8月18日時点)約94.5%にあたる、701人が入院を要しました。
入院後の経過に関しては、そのうち667人(95.1%)が既に退院し、死亡例はなかったとのことです。

国内でもワクチンとの因果関係が不明な重症心筋炎の報告がわずかながらありますが、上記の検討結果からは心筋炎を起こす確率自体が低く心筋炎が起きた場合でも、重症化する事が稀だという事がわかります。

今回はワクチンの副作用を中心にお話ししました。
その中でも一番重症化しやすい副作用である心筋炎を中心に解説しました。

次回はワクチン接種における注意事項と、ワクチン接種後の対応に関してまとめていきたいと思います。

ではまた!

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