ヘルパンギーナが各地で警報レベル超え、大流行の兆し!!!
いまヘルパンギーナが猛威を奮っております。
保育園、幼稚園などで『ヘルパンギーナ』という名前を耳にする機会がここ最近かなり増えたのではないかと思います。
ヘルパンギーナは5類感染症に分類される定点把握疾患です。全国約3000カ所の小児科定点医療機関より患者数が毎週報告されております。6月に入りヘルパンギーナが急激に増加し、各地で警報レベル(一定点あたり6.0人/週)超えの大流行がみられるため、今回ヘルパンギーナについてお話しようかと思います。
https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/herpangina/herpangina/
●ヘルパンギーナとは?手足口病との違いは?
ヘルパンギーナは乳幼児を中心に夏季に流行する感染症であり、大多数がエンテロウイルス属のウイルスが原因とされます。ヘルパンギーナという名前は、ドイツ語で「水疱(ヘルペス)」と「喉の炎症(アンギーナ)」という言葉が合わせたのが由来とされます。
ヘルパンギーナの症状は発熱と咽頭痛で、口腔内・咽頭に水疱、潰瘍を認めるのが特徴です。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1230.html
特に乳幼児では注意が必要で、ヘルパンギーナになると咽頭違和感、痛みから経口摂取不良や哺乳不良を認めることがあります。また上記が続くことで、時に脱水や低血糖を来したり、高熱を契機に熱性けいれんを起こすことあります。
また同じく夏風邪の代表疾患である手足口病は、ヘルパンギーナと同様でエンテロウイルス属のウイルスが原因とされております。手足口病は、発熱や口腔内・咽頭の水疱形成に加えて、手・足・口周囲(時に肘、膝、お尻)などに水疱を認めます。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1229.html
現時点で手足口病は大きな流行は認めておりません。
https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/handfootmouth/handfootmouth/
●治療は?
ヘルパンギーナを根本的に治す治療薬はなく、多くが免疫の働きにより自然治癒します。必要に応じて症状を緩和する対症療法を行います。経口摂取不良や哺乳不良が続き、脱水や低血糖が疑われる際は点滴での補液を行うことがあり、場合によって入院を要することがあります。
脱水、低血糖を防ぐためには、水分摂取、糖分補給を行うことが大切です。
喉や口の中の痛みが強い時はオレンジジュースのような刺激のあるものは避け、喉越しのいい少し冷たい飲み物がオススメです(ex. 麦茶、牛乳、冷たいスープ etc.)。
食べ物は刺激が少なく、噛まずに飲み込めるものがオススメです(ex. ゼリー、プリン、冷えたおじや、豆腐 etc.)。
●予防法は?
残念ながらヘルパンギーナを予防するワクチンは、現時点でありません。
ヘルパンギーナは咳やくしゃみなどの飛沫によって感染する『飛沫感染』と、手やおもちゃに付着したウイルスが口、鼻、目などの粘膜に触れることで感染する『接触感染』が主な感染経路です。そのため手洗い、うがい、マスク着用が有効です。
なお、ヘルパンギーナの原因となるウイルスはアルコール消毒が効きづらいとされます。そのためアルコール消毒だけでは感染対策としては不十分なため、石鹸での手洗いを徹底しましょう。またヘルパンギーナは回復後も2〜4週間と長期にわたり便からウイルスが排出されるため、回復後も手洗いが重要です(特に排便後)。
ノロウイルス同様に次亜塩素酸ナトリウムによる消毒は有効ですので、子供が触れる周囲のおもちゃなどを次亜塩素酸ナトリウムで消毒しましょう(手指消毒には使用しないでください)。
●登園の目安は?
ヘルパンギーナはインフルエンザのような明確な登園停止基準はありません。解熱後24時間再発熱がないこと、経口摂取が通常どおりに戻り元気なご様子であれば登園可能です。しかし独自のルールを設けている保育園・幼稚園もあるため事前に確認していただけたらと思います。
●まとめ
各地でヘルパンギーナが警報レベルの大流行しております。できる限りの感染対策を続けていきましょう。もし感染した際は、水分摂取、糖分補給を心がけ、脱水・低血糖に注意しましょう。
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