子どもの病気コラム

よくある子どもの病気

風邪ってよく診断されるけど、どんな薬を飲むの?薬が効かないけどなぜ?

風邪とは咳、鼻水、咽頭痛などの局所症状に全身症状(熱、倦怠感など)を伴った状態
80−90%以上がウイルス感染なので抗生物質は効かない
自身の免疫力に任せて症状を和らげながら、経過を見る。
風邪の時に使用する薬はサポートが主体。劇的に効いて突然症状が消失することはない

Sunnyキッズクリニック院長の若林大樹です。
咳、鼻水でクリニックを受診した際に、「風邪です」と診断されることはよくありますよね。

しかし、
「薬を飲んでも咳や鼻水は中々よくならない。むしろ悪くなっている気がする」
よくあるパパや、ママの悩みです。

この記事を読み終わる頃には、風邪でよく処方される薬の役割や、薬を飲んでもなかなか症状が良くならない理由がしっかりわかると思います。

最後まで読んで医療に関するIQを今日も高めていきましょう😁

風邪の治療って何?

風邪の治療=薬を飲むことではない

風邪の原因の80-90%がウイルス感染で、そのほかの10-20%が細菌感染症によるものです。

ウイルス感染症の場合
基本的に抗生物質は効きません。

ゆっくり休む
休息
食べれるものを食べる 
栄養

この2つが治療になります。

薬を飲んで症状を和らげる対処療法は体のサポートにしか過ぎません。

大事なことは薬を飲ませることではなく、休息と栄養です。
ウイルス感染症の場合にはほとんど自身の免疫力で病気が治ります。

その為風邪の治療は自分の免疫で病気がいち早く治るようにサポートしながらゆっくり休むことが治療の基本になります。

無駄な外出を控え自宅で水分や食事をこまめにとりゆっくり休む事で体力の回復を助け、同時に症状を抑える薬(痰を出しやすくする薬、咳止め、解熱剤など)を使用し、体をサポートしてくのです。

繰り返しになりますが薬で咳、鼻水、熱などの症状をサポートしながら体の中で感染の原因となったウイルスへの免疫ができるのを待つのが治療になります。

このことからわかる様に薬を飲んでも原因が解決するわけではないので咳、鼻水はすぐにはよくなりません。

休みながら徐々に症状が良くなるのを待つ必要があります。医師から出された薬に関しても絶対に飲まなければならない薬ではないので、症状の強さ、治り具合などを見て、判断していただいて大丈夫です。

もしわからなければ遠慮せずにクリニックで相談してください。

風邪のサポートの薬はどんなものがあるの?

風邪に処方するサポートのお薬としては以下の様なものがあります。

コカール・カロナール・アンヒバ坐剤
(熱冷まし)
アスベリン
(咳を軽減。止める働きはあまり強くない)
ムコダイン(痰きり)
ムコソルバン(痰きり)
トランサミン(喉の炎症を抑える)

などがあります。

サポートの薬なのでこれらを飲んでいても風邪をこじらせることはあります。

症状が長くなると下記に示す様な、気管支炎・肺炎・中耳炎になることもあり、抗生物質が必要になることもあるので、

なかなか症状が良くならない
3−5日以上熱が続く

場合には、細菌感染症がないか、重症な感染症がないか、さらなる治療が必要か
等を判断するために医療機関の受診を積極的に検討してください。

問診、診察、検査などを行い追加治療が必要かを判断していきたいと思います。

抗生物質はいつ使用するの?

明らかに細菌感染症がある場合です。

扁桃炎、咽頭炎といった溶連菌などにより喉に膿がつく場合。

風邪に付随する状態としては経過をこじらせ二次的に気管支炎・肺炎・中耳炎を起こした時です

最初は風邪でも、痰をうまく排泄できずに肺や気管支にとどまりそこで細菌感染が起こることもあります。また鼻づまりが原因で耳から鼻へ繋がる部分である「中耳」に細菌が溜まり感染を起こし炎症を起こすこともあります。

細菌感染症の特徴としては、

ぐったりしている
機嫌が悪い
活気がない
顔色が悪い

などの全身の症状が強く出るためそのような場合には当クリニックではしっかり検査を行い、抗生物質が必要か判断をさせていただきます。

抗生物質が処方された場合には、用法、用量、日数をしっかり守ってください中途半端な内服は耐性菌を作り出してしまいます。

まとめ
パパやママができること

ウイルス感染に伴う風邪を治す薬がないことは分かったでしょうか?

治療はあくまでも休息、栄養です!

まずは風邪がどういったもので、どの様な薬やケアが必要かということを、パパやママがしっかり理解してください。

そうすることでお子様への接し方、ケアの仕方も変わるはずです。

薬が全てではなく、なるべくお子様が休める様に、

自宅で水分をしっかり取らせたり
消化しやすい食事を考えたり
しっかり寝たり休んだりできる様にお子様に寄り添ってサポートをしたり

とできることは大幅に変わってくると思われます。

それでも疑問点や、不安は絶えないと思います。そのような場合には、迷わずクリニックを受診していただければと思います。

ではまた。