子どもの病気コラム

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熱中症

こんにちは。Sunnyキッズクリニック院長の若林です。

今回は熱中症について勉強していきます!

小児は大人に比べて熱中症が起きやすいとされます。

熱中症は室内、屋外、車の車内でも起こりえます。

発症予防が重要です。
 ①こまめな水分補給、日陰・屋内での休息
 気温・体温にあわせた衣類の調節、屋内・車内の適切な室温調整
 子供を放置しない。異変に気付けるよう敏感になる

以下の症状がある場合は救急要請をしましょう。
 ①意識がぐったりしていて反応が乏しい、全身のけいれんを認めた場合
 体温が40以上の時
 発汗を認めない時、強い頭痛を訴える時

熱中症に対しての応急処置は
 ①涼しい場所に避難してください
 服を脱がせて体を冷やしてあげてください
 水分・塩分補給をしてください

熱中症とは?

熱中症とは高温環境下で体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内調節機能が破綻するなどして発症する障害の総称です。最悪の場合は死に至ることもありますが、正しい予防法、応急処置を知っていれば防ぐ事、救命することが出来ます。熱中症は屋外だけでなく屋内・車内でも起きることを忘れないでください

小児の熱中症の特徴とは?

小児は大人に比べて体温調節機能が未発達です。大人と比較し暑いと感じてから汗をかくまでに時間がかかるため、小児は熱がこもりやすいと言われています。また体内の水分の占める割合が大人比べ大きく、体重に比べ体表面積も大きいため外気温の影響を受けやすいです。その他にも大人よりも身長が低いため地面からの照り返しの影響を受けやすく、大人が暑いと感じている時は小児はさらに高温の環境下にいるとされます(大人の顔の高さで32℃の時、小児の顔の高さは35℃程度)。以上の点から小児は大人と比較して熱中症が起きやすいとされます。特に乳幼児は症状を訴えることが難しい事、自ら水分補給を行うことが出来ない点などからも注意が必要です。

どんな症状が出るの?

熱中症は症状から下記のⅠ~Ⅲ度の重症度に分類されます。高温環境下で過ごしている中で気分不良、頭痛、めまい、立ちくらみ、手足の痺れ、ボーっとするなど症状を認めた場合は熱中症の可能性があり、応急処置が必要になります。高温環境下で過ごす際はお子さんの異変に気付けるように側にいてあげてください。

また以下の症状を認めた際はすぐに対応が必要なケースがあるため迷わず救急要請してください。1人で悩まず周囲の人にも助けを求め、なるべく多くの人で協力することが重要です。

①意識がぐったりしていて反応が乏しい、全身のけいれんを認めた時
➁体温が40℃以上の時
➂発汗を認めない時、強い頭痛を訴えるとき

応急処置はどうするの?

症状から熱中症が疑われた場合は以下の応急処置をしてください。救急要請した場合も以下の処置を行ってください。応急処置を行っている最中も症状の悪化がないか注意深く観察が必要です。お子さんの側を離れないであげてください

➀涼しい環境への避難してください
 風通しの良い日陰や、できれば冷房の効いた室内などに避難させてください。

➁服を脱がせて、身体を冷やしてください
 体温をいかに早く下げるかが重要になります。まずは衣服を脱がせてください。露出させた皮膚に水をかけ、うちわや扇風機などで風を送って
_あげてください。もし氷のう
 があれば、首の下やわきなどの太い血管がはしっている部分を冷やしてあげましょう。熱中症で体温を下げるた
_めに解熱剤を使用しても効果はないので使用しないでくださ


➂水分・塩分補給してください
 冷たいイオン飲料や経口補水液をこまめに飲ませてあげてください。呼びかけや刺激しても反応がないとき、意識がぐったりしている時は誤っ
_て水分が気道に流れ込む可能性があるため、この時は口から水分を摂取させないでください。意識があるが水分摂取ができないときや症状が改
_善しない時は病院受診をしましょう。

熱中症予防はどうするの

➀こまめな水分補給、日陰・屋内での休息
本人が『喉が渇いた』と思っている時、もうすでにかなり水分が失われている可能性があります。喉が渇く前にこまめに水分・塩分摂取をこころがけましょう。補給するのであれば飲みやすく電解質もふくまれているイオン飲料が適切と思います。
また前述のとおり子供よりも照り返しの影響を受けやすいです。こまめに日陰や屋内など涼しい環境で休息をとってあげてください

➁気温・体温にあわせた衣類の調節、屋内・車内での適切な室温調整
頭を直射日光から守るために外出時は帽子を着用しましょう。日本人は黒髪が多く熱を吸収しやすいです。直射日光を防ぐだけで5-10℃ほど頭の温度上昇を防ぐとされますので帽子着用をオススメします。
また高温下では通気性の良い涼しい服を着せてあげてください。暑さに応じて着脱して調節しましょう。

➂子供を放置しない。異変に気付けるよう敏感になる。
前述の通り、子供は熱中症になりやすいです。高温下環境では子供から目を離さず、異変にすぐ気付けるように敏感になってください。昨今特に車内に子供を放置するのはとても危険です。アメリカの報告では乳幼児の熱中症による死亡の55%が車内閉じ込めであったとされます。短時間とはいえ子供を一人で車内に放置するのは絶対に止めてください。

 

お困りの際はいつでもご受診ください。

ではまた!