Sunnyコラム

小児科コラム

指しゃぶり…いつまでいい?

こんにちは☀️Sunnyキッズクリニック スマイルMFTトレーナーの山岸です。

今回は指しゃぶり(おしゃぶり)についてお話したいと思います。

健診等でよく聞くご質問
  • N.Sさん
  • 指しゃぶりがやめられません
  • 指にタコができるまで指しゃぶりをしています
では、指しゃぶり卒業時期の目安は?
長くても歯が生え変わる4-5歳が目安となります。
上の顎の成長のピークが6歳、早ければ5歳くらいから下の前歯が生え変わるのでその頃までの卒業が望ましいです。

なぜ4-5歳が目安なのか解説していきます!

指しゃぶりは子どもの年齢や発達状態によって見方が異なります。乳児期の指しゃぶりは生理的なもので、口腔機能の発達にも意義があるといわれています。1-2才になると遊びが活発になり、おしゃべりも増えてくるため昼間の指しゃぶりは徐々に減ってきます。そんな中だと眠いときなど無意識の指しゃぶりや、不安・緊張などの気分を鎮めるための指しゃぶりがみられやすいです。生理的な指しゃぶりの延長として、歯並びや噛み合わせへの影響も著しくない時期のため見守りの対応でOK!
3才を過ぎて、幼稚園や保育園での集団生活の経験を通して、友達との時間が増えることで指しゃぶりの頻度は自然と減少します。しかし、周囲に興味がなかったり、不安・緊張が強いなど楽しく活動できる場が少ないタイミングに指しゃぶりへの依存が高まりやすくなります。この時期まで続く指しゃぶりは親指が多く、歯並びや噛み合わせへの影響がみられやすくなります。手を使う遊びを増やしたり、親子のスキンシップや子どもへの声がけを積極的にするなどおしゃべりで口や手を使う動作を楽しむ対応がオススメ!まずは、頻度を減らしていく対応がを心がけましょう。
4-5才になって、子どもの理解力が高まってきたら(月齢的に話が理解できるようになる)、指しゃぶりの歯並びや噛み合わせへの影響などをわかりやすく説明することで、子どもの中の「やめようかな」という気持ちを育ててみてはいかがでしょうか。
無理にやめさせようとする姿勢は子どもにも伝わります。親が指しゃぶりを卒業してほしいように、子どもからすると見えないところでなんとしてでも指しゃぶりをしようします。まさに、この状態です(笑)

指しゃぶりを卒業させたい親 VS 指しゃぶりをしたい子ども

そのため、子どを叱ったり無理にやめさせようとするのではなく、子どもの気持ちも受け入れながら子どもの行動をサポートする対応を考えてみましょう!

指しゃぶりが与えるおくちへの影響

  • 指を吸うことで上顎の歯列が狭くなる
上顎の歯列が狭くなることで歯並びも悪くなってしまいます
  • 上下前歯の噛み合わせのズレ(出っ歯)
  • 前歯に上下方向の隙間ができる不正咬合(開咬)
上下の歯の間に指が入る空間ができることで、歯と歯の噛み合わせが悪くなります。また、形態的にもわかるようになってしまうと容姿として現れる可能性もあります。

指しゃぶり=おくちと考えがちですが、歯並びや噛み合わせは食べることにも影響します!物を上手に噛み切ることができないことで消化吸収の過程で胃腸への負担となる、話すときに発音がしづらい等の身体づくりにも繋がりかねないのです。


おまけ:おしゃぶりの場合…

卒業目安の理想は2歳前まで

おしゃぶりは哺乳の代償的な行為として吸啜本能を満足させ、気分を鎮めてくれます。おしゃぶりの使用には、子どもが泣き止み静かになる、入眠がスムーズになるなど子育てのサポートになります。

おしゃぶりと指しゃぶりのちがいは、おしゃぶりは他者が与えるということに対し、指しゃぶりは乳児自らが始める行為であることです。

乳臼歯(にゅうきゅうし)が萌出して噛み合ってくる2歳すぎまで使用を継続すると、開咬や交叉咬合が生じやすいです。また、おしゃぶりは指しゃぶりよりしゃぶっている時間が長くなりやすいため、影響も早く出やすいとのではないかともいわれています。発語が始まった後のおしゃぶりの使用は、ことばの学習の妨げになるのではないかという懸念もあるようです。
発語が始まり、ことばを覚えるようになる1歳すぎには常時使用しない(遅くとも2歳半ごろまでには使用を中止する)ようにすることが望ましいです。また、おしゃぶりを与えている間も声かけや一緒に遊ぶなど、子どもとの触れ合いも大切にしましょう。

最後に

指しゃぶりの卒業は親子ともども長い戦いになりかねません。長く続いたものほど、卒業までにも長い時間を要する可能性があります。これらは指しゃぶりに限らず、口の癖の改善も同じです。私もコロナ禍のマスク生活もあり、口の癖が磨かれてしまいました(笑)

おしゃぶりはなかなか底が深く…視点によっても様々な考え方があります。その中のひとつとしてお伝えさせて頂きました。癖や口の状態はひとりひとり異なります。おしゃぶりやお口の状態にあった方法をご家族と一緒に考えられたら嬉しいです。

大人の方でもまずは自分の癖に気づくことが重要です。癖は無意識なので治すのは難しいですが、治した分だけ健康にも繋がります!口の癖も笑い飛ばしながら、口周りをやわらかくすることで、親子ともども根気強く進んでいきましょう♪