子どもの病気コラム

感染症

ヒトメタニューモウイルス感染症について

こんにちは。Sunnyキッズクリニック院長の若林です。

今回はヒトメタニューモウイルス感染症について勉強していきます!

RSウイルス同様に小児の風邪症状を引き起こす代表的なウイルスで、RSウイルスと違い重症例は1歳以降の児に多いとされます。
3-6月に流行する傾向あります。RSウイルスやインフルエンザの後に流行ることが多いです。
2歳までに50%、5歳までに75%、10歳までにほぼ全員感染します。
ウイルス感染症なので基本は対処療法(症状を取る治療)。

ヒトメタニューモウイルスってなに?

ヒトメタニューモウイルスはRSウイルス同様に小児で風邪症状と原因となる代表的なウイルスです。一般的に3-6月に流行することが多く、イメージとしてはRSウイルスやインフルエンザの流行が終わった後に流行します。飛沫感染接触感染により周囲に拡がります。生後6ヵ月頃から感染し、2歳までに50%、5歳までに75%、10歳までにほぼ全員が感染すると言われています。RSウイルスと違い1歳以降の児が重症化し入院を要するケースが多いとされますが、1歳未満のお子さんも注意が必要なウイルスです。

どんな症状があるの?

発熱、咳、鼻水といったいわゆる風邪症状が多いですが、RSウイルス同様に時に呼吸障害を起こすウイルスです。

息を吐く時に喘鳴(「ヒューヒュー」「ゼーゼー」)などの音がする時、肩呼吸(肩で頑張って呼吸している)、陥没呼吸(胸がぺこぺこ凹む)などを認める、顔色が悪い、活気がない時は、医療機関へ相談・受診をしてください。単なる風邪でなく気管支炎、細気管支炎、肺炎などを起こしている可能性があります。

検査や診断はどうするの?

RSウイルスやインフルエンザと同様に細い綿棒を鼻に入れ、ぬぐい液を使用し検査します。約10-15分程度で診断ができます。基本的には年齢が小さいお子さん、呼吸障害を起こしているお子さんなどでは検査を行う意義はありますこのようなリスクが高くないお子さんの場合は診断を特定することが、治療方針に影響することはあまりないため、お子さんたちが痛い思いをすることを考えると検査の必要性は低いと考えます。

治療はどうするの?

RSウイルス同様にヒトメタニューモウイルスに効くお薬はないので、対処療法(お子さんにある症状を取る治療)がメインになり、多くは1週間程度で症状が改善するといわれています。症状がつよく呼吸障害をおこしているときは、気管支拡張薬(内服、テープ、吸入)を投与することもあります

発熱が3−5日程度続く場合には2次感染を起こして、肺炎や中耳炎を起こすことがあるので必ず医療機関を受診してください。また感染後、空気の通り道の過敏さが増して長期に咳が続く体質になるお子さんもいます。(喘息性気管支炎の発症)この場合に行う予防の治療もあるので、その際はクリニックで相談してください。

基本的な予防は、手洗い、うがいや、マスク着用になります。

その他:どんな時に急いで受診した方がいいですか?

①いつもより反応が悪くグッタリしている時
②呼吸が早く苦しそう、肩で呼吸している、胸がベコベコして呼吸している
③食事、水分がなかなか取れず、排尿が減っている

以上の所見を認める際は急いで病院に相談・受診をオススメします。

普段からの手洗い、アルコール消毒、うがい、マスク着用などの予防を心がけていただければと思います。

お困りの際はいつでもご受診ください。

ではまた!