子どもの病気コラム
アデノウイルス感染症について(プール熱(咽頭結膜熱)、流行性角結膜炎)
こんにちは。Sunnyキッズクリニック院長の若林です。
今回はアデノウイルス感染症について勉強していきます!
アデノウイルスってなに?
アデノウイルスは、A〜Fまでの6つの群に分類され、約50種類以上の血液型が存在しています。その為、免疫がつきにくく何度も繰り返し感染します。
また咽頭炎、扁桃炎、気管支炎、肺炎などの呼吸器感染症以外にも、咽頭結膜熱や流行性角結膜炎などの眼症状、胃腸炎、腸重積、虫垂炎などの消化器症状、血尿が出る出血性膀胱炎、脳炎など幅広い症状を起こすこともあります。
潜伏期間は5−7日程度で、感染経路としては、唾液、便、直接接触などです。
どんな症状があるの?
上記に示した通り、幅広い症状を引き起こします。学校保健安全法でも出席停止疾患として、パパやママの間でも馴染みの深いのが、咽頭結膜熱(プール熱)です。全てのアデノウイルス感染症が、咽頭結膜熱ではないことは知っておいてください。咽頭結膜熱と診断するためには、3つの症状、発熱、喉の症状(咽頭の赤み、痛み)、目の症状(結膜炎、眼脂)が必要です。プールなどの水を介することでも感染するため、プール熱とも呼ばれます。
熱が出るとともに、食欲不振や、活気がない、だるいと言った症状に加え、咽頭炎による、喉の痛み、結膜炎に伴う目の充血、目の痛み、目やになどの症状が出て、3-5日程度持続します。
咽頭結膜熱と診断された場合には出席停止となり、症状がなくなってから2日後以降から登校可能になります。
検査や診断はどうするの?
診断はお子さんの症状や周囲の流行状況から判断して、咽頭のぬぐい液による迅速検査、あるいは採血検査による抗体検査で診断をします。(数日かかります)
治療はどうするの?
アデノウイルス感染症はウイルス感染症なので、根本的に治療する薬はありません。そのため対処療法(症状を和らげる治療)が中心となります。
発熱は長引くことが多く5日を超えることも多いです。水分をこまめに摂取し、解熱剤などを使用しながら、お子さんがウイルスに対する免疫ができるのを待ちます。
その他:流行性結膜炎は感染力が強い
アデノウイルス感染症の中でも目の症状が強く出る、流行性結膜炎があります。目やにが強く出て、1週間ほどでピークを認め、2−3週間程度で改善します。接触によって人から人へうつります。目に触れた手を介して広がりやすいので、感染予防のためには、お子さん、パパ、ママ共に手洗いをこまめに行うことが基本です。タオルや寝具の共用は避け、使ったものはこまめに洗濯します。涙や、目やにが出たら、ティッシュペーパーで拭き、すぐに捨てましょう。ガーゼなどを使う場合は同じものをくり返し使わず、使い捨てにするか、一度使ったら洗うようにします。お風呂は最後に入るようにし、子どもがよく触れるドアノブなどはアルコール消毒をしておくとより安心です。
医師から感染の可能性がないと診断されるまでは集団生活は出席停止になります。
普段からの手洗い、アルコール消毒、うがい、マスク着用などの予防を心がけていただければと思います。
お困りの際はいつでもご受診ください。
ではまた!