子どもの病気コラム
溶連菌感染症に関して
こんにちは。Sunnyキッズクリニック院長の若林です。
今回は溶連菌感染症について勉強していきます!
溶連菌感染症ってなに?
溶連菌感染症は溶血性連鎖球菌という細菌によって起こる細菌感染症です。上気道や咽頭に感染することが多く、喉の風邪、急性咽頭炎を引き起こす主な細菌です。その他にも皮膚や皮下組織などに感染を起こします。
ここでは最も多い急性咽頭炎に関してお話を進めていきます。感染経路は、唾液、鼻水などの分泌物から感染する飛沫感染で、主に幼児から学童期のお子さんに感染することが多いです。その為、保育園、幼稚園、小中学校などの集団生活環境で感染することが多いので、流行がある場合は受診時に教えてください。健康の方の3割が溶連菌を保菌していますが、健康保菌者からの感染は稀と考えられています。
どんな症状があるの?
潜伏期は2-5日程度です。症状は発熱、喉の痛み、発疹などです。舌もイチゴのようにつぶつぶを認め、真っ赤になることがあるので、お子さんが喉の痛みを訴える場合には、あっかんべーをしてもらうとパパやママでもわかるかもしれません。
検査や診断はどうするの?
細い綿棒を口に入れ、ぬぐい液を使用して15分程度で迅速検査により診断ができます。その他にも細菌培養検査、採血による抗体検査などもありますが、結果が出るのに数日かかるので、迅速検査を行うことがほとんどです。しかしながら迅速検査では菌量が少ない時に陰性と出ること(疑陰性)や、保菌しているだけで陽性と出ることもあるので、症状と照らし合わせながら感染を判断する必要があります。
治療はどうするの?
細菌感染症なので抗生物質が効きます。リウマチ熱や、急性糸球体腎炎を予防する為にしっかり決められた期間内服してください。ペニシリン系の抗生物質(サワシリン、ワイドシリン、パセトシン)は10日間、セフェム系(メイアクト、フロモックス、トミロン、セフゾン)は5日間の内服が必要です。抗菌薬をしっかり飲めば2-3日以内に解熱すると考えられますが、解熱しない場合には喉に膿の塊などを作っている可能性もあるので、医療機関の受診を検討してください。
その他:リウマチ熱ってなに?
リウマチ熱は、A群連溶血性連鎖球菌に感染し、治療が不十分な場合、その一部に数週間後に発症します。2~3週間でリウマチ熱の症状が出現します。リウマチ熱の初期症状として最も多いものは関節痛と発熱です。その他、心臓の炎症(心炎)によって起こる胸痛または動悸、けいれん性のコントロールできない動き(小舞踏病)、発疹、皮膚の下の小さなしこり(小結節)などです。抗生物質をしっかり内服することで、予防できるのでしっかりお薬を飲んでください。
その他:溶連菌感染症後に尿検査はいるの?
溶連菌感染症後1−3週間後に体内起こる免疫反応が原因で腎臓に影響が出て溶連菌感染後糸球体腎炎を起こす可能性があります。症状としてはおしっこがでにくくなり体がむくむ、おしっこに血が混じる(血尿)といった症状が出ます。治療が必要な腎炎の場合にはこれらの症状が出ることがほとんどなのでお子さんの状態をご確認いただき、気になる症状がある場合には再度診察に来ていただくことを推奨しております。
普段からの手洗い、アルコール消毒、うがい、マスク着用などの咳エチケットで予防を心がけていただければと思います。
お困りの際はいつでもご受診ください。
ではまた!
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