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小児科コラム

各地で『手足口病』が大流行の兆し!!!感染対策の徹底を!!!

今年もまたこの季節がやってきました…。夏は『ヘルパンギーナ 』『手足口病』『プール熱』が流行するとされ、多くの子どもをもつ親御さん、保育園・幼稚園などの教育関係者を悩ませる季節なのではないでしょうか?

2020・2021年は新型コロナ感染症流行に伴う感染対策により、あらゆる感染症が激減しました。しかし新型コロナウイルスが5類感染症に移行し感染対策が緩和され、近年はあらゆる感染症が記録的な流行を記録しております。昨年の夏は『ヘルパンギーナ』が記録的な大流行したことは皆さんの記憶にも新しいことかと思います。
https://www.sunny-clinic.jp/2023/06/26/7863/

そして今年は『手足口病』が大流行の兆しがあるため、今回は『手足口病』についてお話ししたいと思います。

 

●現在の流行状況は?
手足口病は5類感染症に分類される定点把握疾患です。全国約3000カ所の小児科定点医療機関より患者数が毎週報告されております。現在1医療機関あたり2.13人と、この時期としては過去10年で最も多く、これから大流行する可能性があります

https://www3.nhk.or.jp/news/special/infection/dashboard/teashikuchi.html

すでに大阪府兵庫県では警報レベル(警報基準:1医療機関あたり5人)の流行を認めております。当院においても着々と手足口病が増えていると日々感じております。

https://www.pref.osaka.lg.jp/o100050/iryo/osakakansensho/teashikuchi.html

 

 

●手足口病とは?
手足口病とはその名の通り、口の中、手足などに発疹がでるウイルス性の感染症です。原因ウイルスはコクサッキーウイルスエンテロウイルスなど複数あり、一度感染しても違うタイプのウイルスに感染すると複数回繰り返すことがあります。夏に流行するとされ、報告数の90%前後は5歳以下の乳幼児が占めております。

 

 

●どんな症状でるの?
口の中や歯茎、手足など(時に肘、膝、お尻にも)に赤い発疹、水疱、潰瘍ができ、痛みや痒みを伴うことがあります。発疹は1週間程度で消失するとされます。発熱を認める例は1/3程度とされ、あまり高くならず、数日間で治ることが殆どです。

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1229.html

 

 

●注意すべき合併症は?
手足口病はごく稀に髄膜炎や脳炎を合併することがあります。発熱が遷延する、頭痛がひどい、嘔吐を繰り返す、視線が合わない、呼びかけに反応がないなどの症状を認める場合は、速やかに医療機関に相談してください。

またヘルパンギーナと同様ですが、乳幼児では特に注意が必要です。口の中の潰瘍による咽頭痛により経口摂取不良や哺乳不良を認めることがあります。また上記が続くことで、時に脱水低血糖を来す可能性があり注意が必要です。

 

●治療は?
手足口病を根本的に治す治療薬はなく、多くが免疫の働きにより自然治癒します。必要に応じて症状を緩和する対症療法を行います。前述の通り、乳幼児では脱水や低血糖に注意が必要です。脱水、低血糖を防ぐためには、水分摂取糖分補給を行うことが大切です。

喉や口の中の痛みが強い時はオレンジジュースのような刺激のあるものは避け、喉越しのいい少し冷たい飲み物がオススメです(ex. 麦茶、牛乳、冷たいスープ etc.)
食べ物は刺激が少なく、噛まずに飲み込めるものがオススメです(ex. ゼリー、プリン、冷めたおじや、豆腐 etc.)

 

●予防法は? 感染対策は?
残念ながら手足口病を予防するワクチンは、現時点でありません。
手足口病は、咳やくしゃみなどの飛沫によって感染する『飛沫感染』、手やおもちゃに付着したウイルスが口、鼻、目などの粘膜に触れることで感染する『接触感染』が主な感染経路です。回復後も便から2〜4週間にわたりウイルスが排泄されるため、おむつなどの交換の際に汚染された手指を介して感染が広がることがあります。以上から手洗い、うがい、マスク着用が有効です。

なお、手足口病の原因となるウイルスはアルコール消毒が効きづらいとされます。そのためアルコール消毒だけでは感染対策としては不十分なため、流水や石鹸での手洗いを徹底しましょう。ノロウイルス同様に次亜塩素酸ナトリウムによる消毒は有効ですので、子供が触れる周囲のおもちゃなどを次亜塩素酸ナトリウムで消毒しましょう(手指消毒には使用しないでください)。

 

https://family.saraya.com/kansen/teashikuchibyo/

 

●登園の目安は?
手足口病はインフルエンザのような明確な登園停止基準はありません。解熱後24時間再発熱がないこと、経口摂取が通常どおりに戻り元気なご様子であれば、発疹が残っていても登園可能です。しかし独自のルールを設けている保育園・幼稚園もあるため事前に確認していただけたらと思います。

回復後も2〜4週間の長期にわたり便からウイルスが排出されるため、保育園・幼稚園では引き続き、石鹸による手洗いや次亜塩素酸ナトリウムによる周囲の消毒をオススメします。

 

●まとめ
各地で『手足口病』が大流行の兆しがみられます。できる限りの感染対策を引き続き続けていきましょう。特に乳幼児は水分摂取、糖分補給を心がけ、脱水・低血糖に注意しましょう。

 

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