子どもの病気コラム

感染症

【医師解説】単純ヘルペス1型によるお子さんの3つの病気|歯肉口内炎・口唇ヘルペス・カポジ水痘様発疹症

こんにちは。Sunnyキッズクリニックです。

お子さんの口の中にたくさん口内炎ができた、くちびるに水ぶくれができた…そんな経験はありませんか?これらの症状は「単純ヘルペスウイルス1型」が原因かもしれません。

今回は、単純ヘルペス1型に関連するお子さんの3つの病気について詳しく解説します。

病名 特徴
ヘルペス性歯肉口内炎 初感染時に発症。高熱が2〜5日続き、歯ぐきの腫れ・多数の口内炎が出現します。
口唇ヘルペス 再発型。免疫が落ちたときに口周りに痛みのある水ぶくれができます。
カポジ水痘様発疹症 アトピー性皮膚炎など皮膚バリアが弱いお子さんに多く、広範囲に水疱が広がります。

1. ヘルペス性歯肉口内炎とは?

どんな病気?

口唇ヘルペスの原因である単純ヘルペスウイルスに、初めてお子さんが感染することで発症します。

この単純ヘルペスウイルスは大人の半数以上がすでに感染していると言われており、親の唾液が付着した食器やタオルの共有などでうつることが多いです。

初めて感染しても何も症状が出ないまま終わることがほとんどですが、約10%のお子さんにヘルペス性歯肉口内炎として症状が現れます。

主な症状

  • 発熱:熱が2〜5日続き、高熱が出ることが多いです。
  • 歯肉の腫れ・多数の口内炎:熱が出始めて2日ほど経過してから、歯ぐきが赤く腫れ、歯ぐきや口の中、くちびるにたくさんの口内炎ができます。歯磨きをすると出血することもあります。熱の出始めは口の中の症状が出ないため、初期の段階では診断がつきにくいことがあります。
  • 食欲低下:口内炎で口の中が痛くなり、食欲が落ちます。

診断・治療

症状から診断します。抗ヘルペス薬の内服で症状を軽減できますが、自然に治癒することもあります。

水分摂取ができず脱水が進んだ場合には、入院して点滴による脱水補正や抗ヘルペス薬の点滴治療を行います。

ご家庭でのケア

  • 水分補給をしっかりと:口内炎で食事が進まないので、脱水にならないように水分をこまめに摂りましょう。
  • 刺激の強い食べ物は避ける:酸味のあるもの、辛いもの、熱いものは避けましょう。口当たりの良いプリン、ゼリー、アイスクリーム、お豆腐などがおすすめです。
  • 歯磨きはお休み:症状がおさまるまで歯磨きはお休みしましょう。口の中を清潔に保つためにうがいをしたり、お口の中をすすぐようにしましょう。

保育園の登園について

熱がなく、食事がいつも通り食べられるようになれば登園可能です。

2. 口唇ヘルペスとは?

一度感染した単純ヘルペスウイルスは神経節に潜伏します。そして、風邪や疲れなどで免疫が落ちているときに皮膚に出てきて、口唇ヘルペスとして再発します。

口唇ヘルペスは、口の周りに軽い痛みのある水ぶくれができる病気です。

治療

  • 軽い症状の場合:抗ヘルペス薬の塗り薬を使用します。
  • 症状が強い場合:抗ヘルペス薬の内服を行うこともあります。

3. カポジ水痘様発疹症とは?

単純ヘルペスウイルスが原因となるもう一つの病気に、カポジ水痘様発疹症があります(まれにコクサッキーウイルスが原因となることもあります)。

アトピー性皮膚炎など皮膚バリアが弱いお子さんに多く見られ、単純ヘルペスウイルスが皮膚に感染して発症します。

症状

  • 発熱やリンパ節の腫れとともに、多くの小さい水疱(水ぶくれ)の発疹が出現し、広がります。
  • 熱が出ないこともあり、発疹だけが症状として現れる場合もあります。

診断・治療

典型的な発疹があれば診断できます。

  • 症状が軽い場合:抗ヘルペスウイルス薬の内服や塗り薬を使用します。
  • 顔にヘルペスの症状が出ている場合や発疹が広範囲の場合:入院して抗ヘルペス薬の点滴を使用します。

また、とびひ(伝染性膿痂疹)を一緒に発症することがあるため、とびひの治療を併せて行うこともあります。

集団生活はいつから?

解熱して、発疹がかさぶたになってからの登園が望ましいです。

予防について

皮膚バリアが弱いお子さんにカポジ水痘様発疹症が発症しやすいため、日頃から保湿やスキンケアを行い、皮膚の状態を良くしておくことが大切です。

最後に

単純ヘルペス1型はとても身近なウイルスですが、お子さんでは高熱や口内炎、広範囲の発疹など、症状が強く出ることがあります。「いつもの風邪と違うかも?」と感じたら、お気軽にSunnyキッズクリニックにご相談ください。

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