子どもの病気コラム

小児外科・消化器疾患

【医師解説】新生児の「噴水状嘔吐」は要注意!肥厚性幽門狭窄症のサインと治療法

こんにちは。Sunnyキッズクリニックです。

赤ちゃんがミルクや母乳を吐いてしまうと、「飲みすぎかな?」「胃腸炎かな?」と心配になりますよね。特に、生後2〜3週間頃から始まる「噴水状の激しい嘔吐」は、注意が必要な病気のサインかもしれません。

今回は、赤ちゃんに比較的多いお腹の病気「肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)」について、その症状、診断、治療法まで詳しく解説します。


1. 肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)とは?大切なポイント

項目 内容
病気の概要 胃の出口(幽門)の筋肉が厚くなり、母乳やミルクが十二指腸へ通りにくくなる病気です。男の子に多い傾向があります。
主な症状 生後2〜3週間頃から始まる「噴水状の嘔吐」が特徴的なサインです。嘔吐後も赤ちゃんはすぐにミルクを欲しがります。
注意点 嘔吐を繰り返すことで、脱水症状や体重減少を引き起こす危険性があります。
診断 腹部超音波(エコー)検査で幽門部の厚みを確認します。
治療 点滴で脱水を改善させた後、**手術(ラムステッド手術)**を行うのが基本的な治療法です。

2. 症状:噴水状嘔吐を見逃さないで

肥厚性幽門狭窄症は、出生直後には症状が見られません。しかし、幽門の筋肉が徐々に厚くなるにつれて、胃からミルクや母乳が通りにくくなります。

  • 症状の始まり: 通常、生後2〜3週間を過ぎたあたりから嘔吐が目立ち始めます。

  • 嘔吐の特徴: 最初は少量でも、次第に回数と量が増加し、1〜2週間後には胃の内容物が勢いよく飛び出す**「噴水状の激しい嘔吐」**が起こることがあります。

  • 赤ちゃんは元気?: 嘔吐した直後でも、赤ちゃんはお腹が空いてすぐに母乳やミルクを欲しがることが多いです。

  • 注意すべき状態: 病気が進行すると、繰り返す嘔吐によって脱水症状が進行し、赤ちゃんがぐったりしたり、体重が減少したりすることがあります。


3. 診断と治療:早期発見・早期治療が重要

診断は腹部超音波検査で

肥厚性幽門狭窄症の診断は、腹部超音波(エコー)検査によって行われます。

超音波検査で、胃の出口にあたる幽門部の筋肉が異常に厚くなっていることや、その部分が長く伸びていることが確認されると、診断が確定します。赤ちゃんに負担の少ない検査です。

治療の基本は「手術」

治療は、以下のステップで行われます。

  1. 脱水の治療:繰り返す嘔吐で赤ちゃんは脱水状態になっています。まず、血液検査で脱水の程度やミネラルバランスを確認し、点滴で水分とミネラルを補充して体調を整えます。これは手術を安全に行うために非常に大切な準備です。
  2. 手術療法(ラムステッド手術):脱水が改善し体調が安定したら、ラムステッド手術と呼ばれる手術を行います。これは、厚くなった幽門の筋肉を縦に切開して広げる手術です。非常に効果的な手術で、手術後は比較的早期にミルクを飲むことができるようになります。
  3. 薬物療法(硫酸アトロピン):稀に、硫酸アトロピンという薬を使って幽門の筋肉を広げる治療を試みるケースもあります。しかし、効果が現れるまでに時間がかかり、効果も個人差があるため、薬による改善が見られない場合は手術療法が選択されます。

最後に

肥厚性幽門狭窄症は、早期に診断し、適切な治療を行えば赤ちゃんは元気に回復できる病気です。

もし、お子さんが「生後2〜3週間頃から噴水のような嘔吐を繰り返している」「体重が増えにくい、または減ってきた」といったサインが見られたら、迷わずSunnyキッズクリニックにご相談ください。