Sunnyコラム

小児科コラム

口呼吸を改善すると身体が強くなる…?

こんにちは☀️MFTトレーナーの山岸です。

近年、「お口ポカン」という言葉を耳にする機会が増えました。以下にお心あたりのある方はお口ポカンさんかもしれません。

  • 気がつくと口が開いている(コロナのマスクで口元は隠れていますが、実はマスクの下でお口が開いている)
  • よく風邪を引く、緑色の鼻水が出る
  • 唇がよく乾く、カサカサしている
  • 鼻が詰まっていることが多い
お口ポカンはなぜ良くない?
口が開くことで口呼吸になるからです。

口呼吸と鼻呼吸のちがい

そもそも哺乳動物の中で人間だけが口呼吸をしています。食べることや話す過程を通して、口でも呼吸ができるようになりましたが、本来は「鼻呼吸」なのです!

鼻呼吸をすると鼻毛がフィルターとなり、花粉などの外部から入ってくる異物の侵入を防ぎます。また、鼻腔粘膜でウイルスや細菌などの小さな異物の侵入を防ぎます。鼻腔を通過する際に鼻から入ってきた空気は適切な温度に調整されることで、肺での呼吸の負担を軽減しています。

これに対し、口呼吸ではフィルターを通らずに冷たく乾いた異物を含む空気が直接口腔内に入ってきます。それにより、口腔内が乾燥し、病原体が繁殖しやすい環境となり、外敵に対して無防備な呼吸をしていることになります。

こうした鼻腔内の働きもあり、鼻呼吸の方が口呼吸より感染症のリスクが少なくなります。

さらに

口呼吸による口腔内の乾燥は、唾液の分泌が減少するとともに唾液の殺菌作用を減らしてしまうことで、虫歯口臭の要因にもなり得るのです!

ここでおくちの豆知識:唾液の働き

  • 殺菌作用:侵入した細菌などの微生物の数を減らす、歯垢の発生を抑える
  • 浄化作用:食べかすなどを洗い流すことで虫歯を予防する。
  • 消化作用:唾液に含まれる酵素(アミラーゼ)により、食べ物に含まれるでんぷんが分解されることで胃の消化を助ける。
  • 再石灰化作用:酸によって歯の表面からミネラル成分が溶けるが、唾液が溶かされたミネラル成分が戻ることで歯を修復する。
  • 緩衝作用:口の中が酸性に傾くとむし歯になりやすくなるため、酸性に傾いたお口の中を中性に回復させることでむし歯予防となる。
唾液にはこんなにたくさんの役割があります!耳下腺、顎下腺、舌下腺という大きな唾液腺より1日に1000~1500mlも分泌されるのです!唾液が少ないと感じた際には、唾液腺周囲をマッサージしたり、舌を動かすだけでも唾液の分泌が促されます。
口呼吸から鼻呼吸への改善は唾液分泌促進にも繋がり、健康面に大きく影響します!

口呼吸に対するMFTトレーニングを少しご紹介!

  • いーあーいー:唇のトレーニング
  • いうあべ:唇のトレーニング
  • ガラガラうがい:鼻呼吸の感覚を掴みましょう。おまけに風邪予防も!
  • ブクブクうがい:唇の筋力をつけ、口輪筋のバランスを整える
  • スポット:舌の正しい位置を覚えましょう!
トレーニング開始は4-5歳の指示がわかるようになってきてから、短時間からイスに座ってお話が聞ける幼稚園生(4-5歳)が目安となります。

4-5歳以下はトレーニングできない?

そんなことはありません!お母さんと一緒にいる時間が長い赤ちゃん時期にお母さん自身が少しでもトレーニングをすることでお子様には視覚的情報として伝わり、成長とともに真似をすることが期待できます。また、歯が生え始める前からお口の中や、周りを触わってあげられることで、大きくなったときに歯磨きが苦手になることが少なくなります。歯磨きをするタイミングで一緒にトレーニングは親子のスキンシップの時間となるとともに歯磨き嫌いを克服できるかもしれません。

お口ポカンの予防は赤ちゃんの頃から

まだ歯も生えていない、離乳食も食べていないから、0歳にMFTは該当しない…と思った方へ

赤ちゃんとできるおくちストレッチがあります!おくちの筋肉に触られる感覚を養うことができます。また、口を触るときは「おくち」と声をかけてあげることで「おくち=触られているところ」と認識しやすくなります。よく診察の際にくちの中を拝見させて頂きますが、おくちを触ることでスムーズに「あ」のくちができるようになるかも!??

では、トレーニングやストレッチ以外では…?

実は、普段の日常生活でよくしている抱っこが重要です!

赤ちゃんの頃は頭が重く支えきれないことで、首が後ろに反った状態とになりやすいです。首が後ろに沿うことで、あごが自然と上がってしまいます。では、この感覚を自分で試してみましょう。顔を天井(真上)に向けたときに口を開けるのと閉じるのではどちらが楽でしょうか?そう!開けた方が楽なのです。このことからも首を反った(顎が上がった)状態=口が自然と空いた状態になりやすいということになります。成長とともに抱っこ紐から頭が出てしまう部分は、首が沿わないよう高さを調整したタオルを挟んでみてはいかがでしょうか…?抱っこをするときは、首が反わない(顎が上を向かない)ようお口が閉じた状態を保てるような方法がgoodです。

また、抱っこの姿勢は足がだらんとならないためのM字足もポイント!

M字足は抱っこの姿勢に加え、健診でも確認する股関節脱臼防止にもなります。

リュックサックを下げて腰のあたりで背負う感覚で抱っこ紐を使用すると、ママの腰に負担をかけるとともに赤ちゃんの足もM字でなくだらんと伸びてしまいます。抱っこ自体が両者ともに不安定な状態を身体で耐えている(組体操の)イメージです。

抱っこの負担を避けるために…

赤ちゃんとお母さんの頭が密着することで重心を高くします。赤ちゃんがお母さんの胸にしがみつく格好となる「コアラ抱っこ」が理想!重心を高くすると、赤ちゃん側は自然と背中がCカーブ、M字足(足が突っ張らない)のかたちになることで、抱っこをしているお母さんの腰への負担も軽減します。気になる方は感覚を体験しながら、ぜひ試みて下さい♪

今回の内容のまとめ

お口ポカン(口呼吸)について
口呼吸のMFTトレーニングと日常生活でできること
お口ポカンの予防は抱っこから!

 

MFTのトレーニングを1日1回〜遊び感覚ではじめまみませんか?不明点やトレーニングの詳細については山岸までお声かけください。