胃腸炎の時の水分補給とお食事について
こんにちは。
管理栄養士の六角です。
太陽の日差しが眩しい毎日で、ちょっと体力を奪われがち。
暑さも立派なストレスなので、暑い毎日、体は知らず知らずとっても頑張っています。
みなさん体調をくずされていませんか?
今日はそんな夏場に多い胃腸炎の時と、その後の食事についてお話したいと思います。
お役立ち情報になれば嬉しいです
胃腸炎になるといご本人も見ている家族も本当に辛いですよね。
原因として
①ウィルス感染
②細菌感染
③薬の副作用など化学物質によるもの
が多いかなと思います。
特に乳幼児さんはアデノウィルスやロタウィルス、ノロウィルスなどのウィルス感染が多いですね。
それによって、下痢や嘔吐又は発熱が起こる場合もあるので絶対的に気を付けたいのは『脱水』
じゃあ水分をできるだけあげた方がいいよね!と思って、ほしがる子には欲しがるだけあげたくなるかもしれませんが、そこはちょっとストップ!
どんな子に対しても、少量ずつあげる事がポイントです
少量の目安ですが、、、
特に嘔吐の後だったら、吐いた後30分ほどは何もあげずに様子を見て、落ち着いてそうなら、水分をティースプーン1杯位を10分おき位にあげていきます。
このときもっと欲しがる場合でも、まずは1杯にとどめましょう。
様子を見て吐かずに大丈夫そうなら30分間隔でティースプーン10杯程度あげていきます。
激しい嘔吐や下痢や発汗がある場合は、水分だけでなくナトリウムやカリウムなどのミネラルも一緒に排泄されてしまうので、その補給のために水というよりは電解質入りの経口補水液をあげることが大事です!
普段は糖分が入っている水分は必要無いとお伝えしているのですが、経口補水液はこういうときのために作られている物なので、しっかり活用してほしいと思っています
経口補水液には商品として種類が沢山ありますが、選び方としては塩分量を見てあげるといいかもしれません。
塩分は摂りすぎは良くないと言われていますが、嘔吐や下痢により大切なミネラルも奪われていくので、ある程度は必要とされています。
そして、水だけよりも塩分や糖分を一定量含んでいた方がより早く身体に取り込むことができるので、身体に負担なく吸収されます。
WHO(世界保健機構)が推奨するナトリウム含有量に近い商品の一つに経口補水液のOS1(特別用途食品)があるようです。
他の商品より割と塩分濃度が高めに作られていて必要量を摂取しやすそうですね。
ただ、塩分が多いほどお子様の飲みにくさもあるので、塩分濃度が高くないアクエリアス経口補水液、アクアソリタなど他の商品もたくさんありますのでお口に合うものを使ってあげるといいと思います。
ちなみに、スポーツドリンクは、経口補水液と比べて糖分が多くナトリウムが少ないので、胃腸炎などの脱水予防の時はなるべく経口補水液を選択されるといいと思います。
あげる目安ですが、
大塚製薬さんのwebサイトで『OS1(オーエスワン)』の適量が書いてありましたので、参考にしてみて下さい
・乳児 30~50ml×体重(kg)/日
・幼児 300~600ml/日
・学童 500~1000ml/日
参考にしてみてください。
そして、時間と共に顔色や口の中の乾燥など調子が悪化したり、呼吸が荒くなったり手足が冷たくなっていたり、嘔吐や下痢症状の改善が見られない場合は、無理をせずに早めに小児科で診てもらってください。
そして、もし経口補水液もなにも買いに行けないとか近所に売っていないなど、経口補水液が手に入らないことがありましたら、厚生労働省が経口補水液の手作りレシピを出してくれていますので作って見るのも手ですね
《手作り補水液レシピ》
水 1L
塩 1~2g
砂糖 20~40g(大さじ2~4)
これを混ぜるだけ!
※塩はできれば精製塩ではなくミネラル豊富な海塩を選ぶようにしましょう!
※砂糖はブドウ糖を使用するとさらにベストのようです。
市販のものの方がミネラルバランスを体液に近づけるよう精密に考えられているので、吸収率には違いがあると思いますが、これでも充分だと思います。
実は過去に勤めていた高齢者施設でも水分補給に経口補水液を使いたかったことがあり毎日手作りしていました。お風呂上がりや活動の後の補水がとても大事で、皆さん、一人も脱水などにはならずに美味しく飲んでくださっていました
飲みにくい方にはとろみを付けたり、ゼリーにしたり、更には凍らせてシャーベットにしたり、少しレモン汁を足したりと色々と手作りならではのアレンジができたので喜ばれていました。
母乳やミルクを飲んでいる場合は水分補給はそちらでも大丈夫ですが、どれも少量ずつは基本にして下さいね♡
薄める必要もなくいつも通りで大丈夫です。
味噌汁やスープの上澄みでも大丈夫ですよ!
そして、しっかりと食欲が出てきたら胃腸の復活のサイン♪
それまでは栄養不足が心配になる気持ちはわかりますが、無理に食べさせないで下さい。
食べたい!の意欲が出てきたら食事を再開しましょう
とはいっても、見た目が元気でも胃腸はまだまだ弱り気味ですので、少量から始めるのが鉄則です。
食事に関しては以下を参考にしてみて下さい!
避けたい物
・脂質の多い物(下痢、嘔吐の原因になりやすいため)
・食物繊維の多い物(特に不溶性食物繊維の多いきのこや外皮が硬い野菜など)
・酸味のある物(嘔吐の原因となりやすいベリー類や柑橘類など)
・乳製品(アイスクリーム・牛乳・ヨーグルトなど)
・甘味の強い物(下痢を誘発させる可能性があるため)
・辛味の強い物(嘔吐の原因になることがあるため)
・芋類・豆類(腸内で発酵しやすく刺激になるため納豆やさつま芋、かぼちゃなど)
オススメな物
・お粥、パン、うどん
・刺激の少ないバナナ、リンゴや水分の多い果物(スイカ、メロンなど)
・白身の魚、ささみ、豆腐
・ゼリー
・野菜スープ
・味噌汁(上澄みだけでも)
・経口補水液
色々細かくてわからない!という時や調理に悩んだときは、離乳食を思い出すと便利です
油や濃い味は控え、繊維の少ない食材を柔らかくしてあげる。
調理法も蒸すや煮るがオススメです。
お粥が苦手なお子様は雑炊のほうが食べやすそうですね。
色々お伝えしましたが、なにかお役に立てたら嬉しいです。
胃腸炎の回復時期、食事は無理なくが鉄則ですが痩せてしまって心配とかなかなか食欲が戻らないなど、不安なことがありましたらいつでも栄養外来をご利用ください。
いつでもスタッフ一同お待ちしております。
暑い夏、大変なこともありますが、夏ならではの楽しみもたくさんありますので太陽たくさん浴びた元気いっぱいの旬野菜を食べて元気に過ごしましょうね!
最後までお読みいただきありがとうございました。