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小児用肺炎球菌ワクチンが新しくなります!20価肺炎球菌結合型ワクチンについて

若林先生
こんにちは!本日は2024年10月から新しくなる肺炎球菌ワクチンについて解説します!
重要なポイント
・肺炎球菌は、小児の肺炎や髄膜炎などの原因になる。
・小児用肺炎球菌ワクチンが10月から新しくなり、カバーできる肺炎球菌の数(血清型)が増えた。
・基本的に接種方法・
対象・間隔などはこれまで全く同じ。従来の肺炎球菌ワクチンが途中の場合は、個別対応。
質問形式でまとめてみましたので、このブログを読んで、正しい知識を身につけて、お子様を一緒に守りましょう!
肺炎球菌ワクチンってなに?

肺炎球菌は、髄膜炎や肺炎など重症な感染症の原因となる細菌です。この細菌を予防するワクチンです。

小児に対する肺炎球菌ワクチンの接種は、2013年に定期接種となっています。この肺炎球菌ワクチンの定期接種化以降、侵襲性肺炎球菌感染症の総発生数の減少(だいたい8割減になったイメージです。一言で言うと激減しています)が維持されています。

しかしながら、肺炎球菌のタイプ(医学的には「血清型」といいます)はたくさんあり、従来のワクチンでカバーできていない肺炎球菌の血清型による感染症は散見されている現状がありました。

 

今までと何が違うの?何がいいの?

カバーできる肺炎球菌の血清型が15個から20個に増えました!「プレベナー20」というワクチンです。

2013年に小児用肺炎球菌ワクチンが定期接種となって以降、日本では日々ワクチンの改良が行われてきました。カバーできる肺炎球菌の血清型が増えれば、それだけワクチンを受けるこども達にとってメリットがあリます。

元々2024年4月に、新たにバクニュバンス15が定期接種となった変更点があったのですが、さらに10月よりプレベナー20が定期接種となりました。

<本邦における肺炎球菌ワクチンの推移>

平成21年10月 沈降7価肺炎球菌ワクチン(PCV7)が薬事承認
平成25年4月 定期の予防接種(小児に限る)にPCV7を追加
平成25年6月 沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が日本で薬事承認
平成25年11月 定期の予防接種に用いるワクチンをPCV7からPCV13へ変更
令和4年9月 沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)が日本で高齢者に対して薬事承認
令和5年6月 PCV15の薬事承認において、適応が小児に拡大
令和6年3月 沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV20)が日本で小児に対して薬事承認
令和6年4月 定期の予防接種に用いるワクチンにPCV15を追加

令和6年10月 定期の予防接種に用いるワクチンにPCV20を追加←今回の変更点はこれ!!

※PCV13:プレベナー13、PCV15:バクニュバンス15、PCV20:プレベナー20(20個の血清型をカバーできる)

 

新しいワクチンって何だか心配?
厚生労働省の承認を受けたワクチンです。安全性は担保されています。

プレベナー20は、「ファイザー」という製薬会社が販売しています。コロナウイルスのワクチンで聞き覚えがある方もいるかもしれません。

新しいワクチンが開発・販売される時は、必ず安全性や有効性のチェックをすることが必須になっています。国の認可を受けたワクチンなので、これまで通り接種していただいて問題ありません。

もちろん、他のワクチンと同様に副反応(発熱や局所の腫脹や痛みなど)が起きるケースはありますが、そのほとんどが軽症かつ一時的です。

ワクチンの副反応が心配な方は、接種の前に医師や看護師に疑問をぶつけてみましょう。

 

従来の肺炎球菌ワクチンが途中の場合はどうなりますか?

お手持ちの母子手帳をご確認いただき、最後に接種した肺炎球菌ワクチンが・・・

①プレベナー13の場合→2024年10月以降、プレベナー20を接種します。

②バクニュバンス15の場合→2024年10月以降も、そのままバクニュバンス15を接種します。

これは①の切り替えでは安全性が確認されていますが、②の場合は安全性がまだ確認されていないためです。

2024年10月以降に最初の肺炎球菌ワクチンを接種する場合は、最初からプレベナー20を接種します。

お子様がどっちになるかわからない場合は、お気軽にクリニックまでお問い合わせください。

 

新しい肺炎球菌ワクチン「プレベナー20」の接種スケジュールを教えてください

これまでの肺炎球菌ワクチン(プレベナー13やバクニュバンス15)と同じになります。

接種対象:2ヵ月齢以上6歳未満 / 接種回数:標準4回(初回接種3回、追加接種1回)

より詳しくは以下の通りになります。標準の接種時期から外れてしまったとしても、お子様にとって最適な接種スケジュールをご提案いたします。

ご気軽に当院までご相談ください。

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7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)
7.1 接種対象者・接種時期

本剤の接種は2ヵ月齢以上6歳未満の間にある者に行う。標準として2ヵ月齢以上7ヵ月齢未満で接種を開始すること。ただし、3回目接種については、12ヵ月齢未満までに完了し、追加免疫は12ヵ月齢以降、標準として12~15ヵ月齢の間に行うこと。また、接種もれ者に対しては下記の接種間隔及び回数による接種とすることができる。

(1)7ヵ月齢以上12ヵ月齢未満(接種もれ者)
  • 初回免疫:1回0.5mLずつを2回、27日間以上の間隔で皮下又は筋肉内に注射する。
  • 追加免疫:1回0.5mLを1回、2回目の接種後60日間以上の間隔で、12ヵ月齢以降、皮下又は筋肉内に注射する。
(2)12ヵ月齢以上24ヵ月齢未満(接種もれ者)
  • 1回0.5mLずつを2回、60日間以上の間隔で皮下又は筋肉内に注射する。
(3)24ヵ月齢以上6歳未満(接種もれ者)
  • 1回0.5mLを皮下又は筋肉内に注射する。

 

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