Sunnyコラム

小児科コラム

溶連菌迅速検査の適応と必要性について

こんにちは、医療法人社団Sunnyです。

今回は、小児科診療でよくご質問をいただく「溶連菌迅速検査」についてご説明いたします。特に、検査の適応や必要性、そして溶連菌感染症に関してご家族に知っておいていただきたいポイントをまとめました。

 


 

【溶連菌迅速検査とは?】

溶連菌迅速検査は、咽頭炎(喉の炎症)を引き起こす細菌「溶連菌」の感染を短時間で確認する検査です。喉を綿棒で擦るだけで数分で結果が分かる便利な検査ですが、すべての患者様が対象となるわけではありません。医師が症状や状況を総合的に判断し、適応を検討します。

 

【溶連菌迅速検査の適応】

特に以下の条件に該当する場合に検査が検討されます:

3歳以上の子どもで溶連菌感染症を疑う症状がある場合
→ 発熱、喉の痛み、頭痛、吐き気、腹痛などが主な症状です。
3歳未満の場合、以下の特定の状況で検査を行うことがあります
→ 同居家族が溶連菌感染症に罹患している場合
→ 猩紅熱(全身に赤い発疹が出る病気)が疑われる場合

3歳未満での溶連菌感染症の発症は非常に稀であり、続発症(リウマチ熱や急性糸球体腎炎など)もさらに稀です。そのため、検査を行わない場合も多いです。

 

【溶連菌感染症の特徴】

溶連菌感染症は、以下のような特徴があります:

1.原因

 溶連菌という細菌による感染症です。

2.主な症状

 咽頭炎(喉の炎症)を引き起こし、以下の症状がみられます:

 - 発熱

 - 喉の痛み

 - 頭痛

 - 吐き気や腹痛

 ※咳や鼻水などのいわゆる風邪症状は少ないです。

3.猩紅熱(しょうこうねつ)

 体幹を中心に赤い発疹が出る病気で、溶連菌感染症の一部として見られることがあります。

4.保菌状態

 溶連菌が喉に住みついていても、症状を引き起こさないことがあります。

5.年齢層

 5歳以降の子どもに多く見られ、3歳未満での発症は非常に稀です。
※兄弟が溶連菌感染症にかかった場合で、症状がある時は3歳未満でも溶連菌感染症を考えることがあります

6.治療

 数日で自然に回復する場合もありますが、抗菌薬の内服により症状が比較的速やかに改善します。

7.注意点

 発症後2~3週間でまれにで心臓の炎症をきたしたり、関節が腫れる病気や腎臓の炎症が見られる場合があります。そのため、以下の症状があれば速やかに受診してください:

 - 顔色が悪い

 - 呼吸が苦しそう

 - 関節の痛みや腫れ

 - 赤い尿や体のむくみ

【検査に関する注意点】

・検査は、医師が上記の特徴を踏まえ適応を判断します。喉を綿棒で擦る方法で行い、数分で結果が判明します。

•溶連菌迅速検査では、保菌者も陽性になることがあります。これは感染症ではないため治療の対象外です。

•医師の判断で検査を行わない場合でも、抗菌薬が必要な場合があります。

【最後に】

溶連菌感染症は数日で自然治癒することもありますが、症状改善や感染予防、続発症の防止のために抗菌薬治療が重要です。当院では、患者様一人ひとりに合わせた適切な診断と治療を心がけています。ご不明点がありましたら、遠慮なくご相談ください。

 

医療法人社団Sunnyは、皆さまの健康を支えるパートナーであり続けます。

 


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