子どもの病気コラム
異物誤飲について
こんにちは。Sunnyキッズクリニック院長の若林です。
今回は異物誤飲について勉強していきます!
子供の手の届くところに、飲み込めるものをおかないようにしよう。
トイレットペーパーの芯までの直径のものなら飲み込めるので注意。
好発年齢は生後6か月から3歳ぐらい。手にしたものをなんでも口に入れてしまう1歳前後が最も多い。
半数がタバコの誤飲。タバコの場合2cm以上の誤飲、有症状、廃液を飲んだ場合は受診。4時間以上経って症状がなければ問題ない。
食道にあるものは危険、胃まで落ちていれば自然排泄を待つ。
異物誤飲 総論
日本では諸外国と比較し、誤飲事故の頻度が高い傾向にあります。理由としては床に直接座って生活するスタイルがある為、乳幼児の手が届きやすい、低い位置にものを置く習慣がある為と考えられます。体の動きが活発になる生後6か月から3歳頃が好発年齢で、特に手につかんだものを口の中へ入れてしまう1歳前後に集中している。固形物の誤飲としては、タバコ、硬貨、ボタン電池などが大半を占め、その他、玩具、ピン、アクセサリー類などが多いが、多岐にわたる。
食道に異物が停滞する場合、鋭利なものを飲み込んだ場合は急いで対応が必要ですが、鋭利なものではなくて胃内に停滞したものに関しては、経過を見て問題なく自然排泄されるのを待つことが多いです。ほとんどは1週間以内に排泄される為、便をよく観察するようにしてください。お子さんは意外と大きなものまで飲み込むことができ、目安としてトイレットペーパーの芯程度の太さのものまでなら飲み込めるので注意が必要です。
食道異物の場合は、通過障害があると流涎(つばを飲み込めずよだれが出ている状態)、嚥下痛(飲み込む際の痛み)、嚥下障害(水分・固形物の飲み込みができない状態)、吐き気・嘔吐などの症状が出てきます。また、気道異物の場合、何かを飲み込んだあとに突然咳が始まることや、声のかすれや喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューした呼吸の音)が出ます。また、呼吸を苦しがったりする場合もあります。
タバコの誤飲に関して
誤飲事故の約半数がタバコの誤飲です。タバコの誤飲に気がついたら、いつ、どのくらい、どのような状態で摂取したかを確認し、その時点で吐かせることが原則です。牛乳などの水分を取らせると、胃の中の酸性度が落ちる為、ニコチンが溶け出しやすい状態となるので気をつけてください。
乳幼児の場合はニコチンの嘔吐作用や、その苦さからか、実際に飲み込んでしまうことは少ないです。2cm以上食べた場合、嘔吐、顔色が悪い、不機嫌、手足の冷え、震えなどの症状がある場合、タバコの廃液を飲んだ場合は早急に医療機関の受診を検討してください。誤飲後4時間経過し問題がなければ、そのまま様子を見て問題ないです。
ボタン電池・磁石の誤飲に関して
1つの誤飲であれば問題はありませんが、複数個の誤飲では腸管を磁石が挟み込み、粘膜の損傷を起こす可能性があります。複数個の誤飲、食道にある場合は摘出しますが、それ以外は様子を見ていても問題ないです。便の中に排泄されるまで便を確認してください。
その他に関して
長年第1位だったタバコを抜いて近年多くなってきているのが薬の誤飲です。大人では問題ないお薬も小さいお子さんが飲むと思わぬ副作用を起こすことがあるので注意が必要です。
また鋭利なものを誤飲した際は、腸管損傷のリスクがある為、必ず早急に医療機関を受診してください。
最後に
お子さんの誤飲の中で一番大事なことは、「予防」です。飲み込んで危険なものは極力お子さんの手の届くところに置かない様に気をつけましょう。生活環境を整えることも、お子さんの安全な発育、発達及び健康を守る重要な要素なので、しっかり整理整頓し、手の届くところに、誤飲を起こす可能性のあるものをおくのをやめましょう。
お困りの際はいつでもご受診ください。
ではまた!