子どもの病気コラム
水痘(水ぼうそう)について
こんにちは。Sunnyキッズクリニック院長の若林です。
今回は水痘(水ぼうそう)について勉強していきます!
水痘(水ぼうそう)ってなに?
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染が水痘です。同じウイルスで発症する帯状疱疹は、感染後体内に潜伏しているウイルスの再活性化に伴うものです。水痘は、ママから赤ちゃんへ移行する抗体の量が十分ではないので、生後1-3か月の赤ちゃんでも感染します。
1-2歳が最も多く、10歳までにかかることがほとんどです。潜伏期は2-3週間で,ウイルスが排泄される期間は、発疹出現1-2日前から、発疹出現後数日間です。赤い発疹が2−3日のうちに水泡になり全身に広がります。
発熱を伴うこともあれば、現在は予防接種の普及によって、発熱も伴わず、水泡の数も少ない、軽症患者さんも多いです。
水痘は空気感染で感染力が非常に強く、水痘にかかったお子さんと、1時間ぐらい一緒に遊べば、まずうつります。
どんな症状があるの?
1-4mmの赤い発疹で始まり、1-3日のうちに水疱になり全身に広がります。水泡は全身にできる為、頭皮や口の中や陰部にもできます。頭→胸、お腹→背中→手足の順番に広がります。頭皮に水泡ができるのがこの疾患の特徴です。
発疹は2-3日でピークになり、1週間ぐらいで「かさぶた」になります。発熱がないこともありますが、水泡出現の時期から2-3日続くこともあります。
発疹はゴシゴシこすらず、手のひらでよく泡立てた石鹸でやさしく汚れを落とし、きれいに洗い流してあげてください。爪を短く切り清潔を保つことが、皮膚の二次感染を防ぎます。
保育園、幼稚園、学校などの集団生活の出席停止期間は水疱がすべて「かさぶた」になるまで(通常7日程度)必要です。
検査や診断はどうするの?
皮膚の症状、周囲の流行状況から診断します。血液の抗体検査で診断もできますが、結果が出るのに時間がかかる為、結果が出る頃には病気は治っています。
治療はどうするの?予防投与に関して
ウイルス感染症ですが、抗ウイルス薬があり発症48時間以内に内服開始することが大事です。計5日間内服が必要です。
皮膚症状に対しては、水泡の乾燥を早める事、皮膚の二次感染を防ぐために、カチリという軟膏を塗ります。水痘は感染力が非常に強く、家族が水痘になると、抗体を持っていない人は90%以上の確率でうつります。
しかし、予防することができます。水痘の人に接触してから3日以内に予防接種を受けると、70%以上の確率で症状が出ることを防ぎ、仮に症状が出ても軽い症状にとどめることができます。
その他①:水痘の予防接種に関して
水痘の予防接種は、2014年10月から定期接種となり。予防接種の種類は注射による生ワクチンで、接種回数は2回です。生ワクチンは毒性を弱めたウイルスでできていて、接種することで抗体を獲得します。
2回の予防接種で抗体ができる割合は90%以上です。その抗体は20年間、体内に残ることが確認されています。1回目は1-3歳で接種し、2回目は1回目から3か月以上開けて接種します。
当クリニックでは半年を目処にスケジュールを作ります。2回接種をしても絶対にかからないわけでは無いですが、症状が弱く、水泡の数も少なくなる為、跡も残りにくくなります。
その他②:川崎病治療後の方は注意(Reye症候群)
水痘では使ってはいけない解熱剤があります。水痘になりはじめのときにアスピリンやアスピリンと同じような効果のある解熱剤を使用すると、Reye症候群を引き起こす可能性があります。乳幼児では内服する機会の少ないお薬ですが、川崎病罹患後はしばらくの間内服が必要なお薬なので、その場合は必ず医療機関受診時に教えてください。
普段からの手洗い、アルコール消毒、うがい、マスク着用などの咳エチケットで予防を心がけていただければと思います。
お困りの際はいつでもご受診ください。
ではまた!
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