子どもの病気コラム

感染症

こどもの新型コロナウイルス感染症に関しての最新情報

新型コロナウイルスが日本で感染拡大し、早くも1年以上が経ちました。止まらない感染拡大、度重なる緊急事態宣言発令など、先行きの見えない不安を抱えている保護者の方も多いのではないでしょうか。

 

本日は小児における新型コロナウイルス感染症について5/20に日本小児科学会から出された見解をもとにお話したいと思います。

 

◎小児は成人に比べ感染しにくい、重症化しづらい可能性がある

ウイルスはそもそも細胞内に感染しなければ増殖することができません。新型コロナウイルスはACE2という受容体に結合することで細胞内に侵入します。このACE2受容体の発現量が感染しやすさや、重症化に関連してるのではと考えられております。

ACE2受容体の発現量は成人に比較し、小児の方が有意に低いことが分かっており、それにより小児は感染しづらく、重症化しづらいのではと考えられております。現に日本国内においては小児の死亡例は0人であります。しかし感染対策をしなくていいというわけではありません。感染しづらい、重症化しづらいとはいえ、感染拡大著しい海外では多くの小児が亡くなっているのが現状です。

 

◎小児例の多くが無症状、軽症で経過している

前述しましたが、現在までの国内では小児の死亡例はありません。幸い多くの小児患者が無症状、軽症で経過しています。変異株の登場が話題となっておりますが、感染力は小児だけでなく全年齢において従来株よりも増強していると報告されています。変異株が小児に感染した場合は、従来株よりも重症化する可能性を示す根拠は現在のところはなく、従来株同様に多くが無症状、軽症で経過しています。

 

◎小児例の多くが家庭内感染であり、そのうち大部分は大人からの感染である

日本小児科学会での報告では、小児患者の先行感染者は家族77%、学校関係者6%、幼稚園・保育所関係者6%、家庭教師・塾関係者1%であり、約80%が家庭内での感染という結果でありました。また家庭内感染のうち両親や祖父母が先行感染者であった割合は93%と、小児患者の大部分が大人からの感染であったことがわかりました。以上の点から、小児の1番の感染予防は、大人が新型コロナウイルスを家庭内に持ち込まないことと言えます。

 

お子さんの発熱や咳で受診した際に、新型コロナウイルスの感染を心配される親御さんが多いかと思われます。新型コロナウイルスは感染力の強いウイルスであること、大人からの家庭内感染が多いことを考えると、親御さんに何らかの症状がなければ、お子さんが感染している可能性は低いかと考えます。ただし無症状者からの感染がある厄介なウイルスであり、可能性は0ではありません。

 

◎まとめ

幸い小児では新型コロナウイルスは重症化しづらく、死亡者はでておりません。しかしながら感染拡大した海外では、小児の死亡者も出ているのが現状です。海外ような状況にならないために大人が感染対策を行うことが、何よりもお子さんを守ることに繋がると思います。

ではまた!

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