子どもの病気コラム

小児外科・消化器疾患

子どもの「脱腸」ってどんな病気? 鼠径ヘルニアについて

こんにちは。今回は、お子さまの足の付け根やおちんちんのあたりが膨らむ「鼠径(そけい)ヘルニア」についてご説明します。

 


 

鼠径ヘルニアはどんな病気?

 

鼠径ヘルニアは、おなかの中にある腸の一部などが、本来閉じるはずの通り道(腹膜鞘状突起)を通って、足の付け根男の子の陰嚢(いんのう:おちんちんの袋)に飛び出してくる病気です。

多くの場合、痛みはありません。泣いたり、お腹に力を入れたりしたときに、足の付け根や陰嚢がぽこっと膨らむのが特徴です。膨らんだ部分を指で押すと、「にゅるっ」という感触とともに、お腹の中に戻すことができます。

 

どれくらいの頻度で起こるの?

 

お子さまの鼠径ヘルニアは、0.8〜4.4%の割合で起こると言われています。特に、男の子に多く、早産や低出生体重で生まれたお子さまは、さらに頻度が高くなります。

また、右側にできることが最も多く、次に左側、両側にできることもあります。


 

鼠径ヘルニアの注意点

 

ヘルニアで飛び出した腸が、もとの場所に戻らなくなってしまう状態を「嵌頓(かんとん)」といいます。

ヘルニア嵌頓が起きると、強い痛みを伴うため、お子さまが不機嫌になったり、嘔吐したりすることがあります。膨らんだ部分が硬く、赤くなり、触ると痛がります。放置すると、飛び出した腸の血流が悪くなり、腸が壊死してしまう可能性もあります。

もし、飛び出した部分が戻らない場合や、ヘルニア嵌頓が疑われる場合は、すぐに医療機関を受診してください。

 

治療法は?

 

鼠径ヘルニアは、基本的に手術で治療します。

いったん飛び出したヘルニアが自然に治ることはほとんどなく、特に生後6か月を過ぎると自然治癒の可能性はさらに低くなります。

また、月齢が低いお子さまほど嵌頓を起こしやすいため、早めの手術が望ましいとされています。手術のタイミングについては、医師とよく相談して決めましょう。