子どもの病気コラム

小児外科・消化器疾患

【医師解説】腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)とは? 1歳前後の乳幼児が要注意!3大サインと緊急性

今回は、主に1歳前後の乳幼児に起こる緊急性の高いお腹の病気「腸重積症」について解説します。

腸重積症は、早期に気づき、適切な処置を行えば手術せずに治る可能性が高い病気ですが、処置が遅れると命に関わる危険もあるため、保護者の方が症状を正しく理解し、迅速に対応することが非常に重要です。


 

1. 腸重積症とは?大切なポイント

どんな病気?

腸重積症とは、口側の腸管が肛門側の腸管内に入りこむことにより、腸に血流がいかなくなる病気です。これは1歳前後の乳幼児に多く見られ、血流障害腸閉塞を起こします。

早く診断することで手術せずに治る可能性が高まりますが、処置が遅れると腸管が腐ったり、腐った腸が破裂してお腹に炎症が広がり、生命を脅かす危険があります。

 

見逃せない3大サイン

症状は、間欠的な泣き・不機嫌嘔吐、**血便(イチゴゼリー状)**が3大サインです。

特に言葉で痛みを訴えられない乳幼児の場合、間欠的な泣き方や、膝を抱えこむような姿勢、顔色の変化など、痛みのサインを見逃さないよう注意が必要です。


 

2. 腸重積症の原因

ウイルス感染との関連

腸重積症は、多くの場合原因が特定されていませんが、主に小腸の終わりにある回腸(かいちょう)が大腸に入り込んでしまうことで起こります。

この現象の原因の一つとして、ウイルス感染が関与していると考えられています。ウイルス感染によって腸管に分布するリンパ組織が大きくなり、そこが腸が食い込む先端(先進部)となり、腸重積を引き起こすと言われています。

 

その他の原因

2歳以上や非典型的な部位での腸重積症の場合には、腸にできた腫瘤メッケル憩室(小腸の壁が袋状に残った状態)、IgA血管炎などが原因となることもあります。


 

3. 腸重積症の症状:早期発見が重要

最初からすべての症状が揃うことは少ないため、早期に症状に気づき、医療機関へ受診することが非常に大切です。

 

1. 間欠的啼泣(かんけつてきていきゅう)

腸重積症の最初に現れるのが腹痛です。腸管が食い込む蠕動運動の際に激しい痛みを訴え、停止すると痛みは和らぎます。

  • 特徴: 「突然の不機嫌、激しく泣く」→「15から20分程度の痛みのない時間帯があり機嫌よく遊べる」という間欠的な泣き方を繰り返します。
  • 注意点: 痛みのある時には皮膚が青白くなることがあります。膝をくの字に曲げて抱え込むような姿勢は、腹痛のサインとして特に注意が必要です。症状がすすむとその間隔が短くなります。

 

2. 嘔吐

嘔吐の症状も腸重積の最初に現れることが多いです。最初は食べ物の残り(食物残渣様)ですが、病状がすすむと腸が閉塞し、緑色の嘔吐物(胆汁)になることがあります。

 

3. 血便(イチゴゼリー状)

血便は、イチゴゼリー状と言われる、血が混ざったねっとりした便が特徴的です。これは腸の粘膜が傷ついたために起こります。発症初期には見られないことが多く、時間経過とともに血便の頻度が増えていきます。浣腸をして初めて確認されることもあります。


 

4. 診断と治療:早期の「高圧浣腸」がカギ

診断方法

腹部の診察でソーセージ状の塊を触れるかを確認しますが、お子さんが激しく泣いていて診察が難しいこともあります。

最も有力な検査は腹部エコー検査です。エコー検査で重なった腸管が確認できれば、腸重積症と診断されます。

 

治療:高圧浣腸による整復

腸重積の症状が現れてから24時間以内であれば、「高圧浣腸(こうあつかんちょう)」と呼ばれる処置による治療が可能です。

この治療法は、造影剤または空気を使用して肛門から腸に圧力を加え、入り込んでしまった腸を元の位置に戻す(整復)もので、非常に効果的です。

整復によって回復した場合も、再発がないか、食事や排便が確認できるまで入院して経過を見ます。

 

手術が必要な場合

整復が効果を示さなかった場合や、治療が遅れて腸管が壊死してしまったり、破裂して腹膜炎を起こしてしまった場合には、腸管の一部を切除する手術が必要になります。

このため、早期の診断・治療が非常に重要であり、症状が現れた際には迅速に医療機関を受診することが求められます。再発することもあるので、退院後も注意して経過を見てあげてください。

 

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