子どもの病気コラム

感染症

RSウイルス感染症について

こんにちは。Sunnyキッズクリニック院長の若林です。

今回はRSウイルス感染症について勉強していきます!

冬に流行する乳幼児の風邪症状を引き起こす代表的なウイルス
年齢が低いほど呼吸障害を起こしやすく、特に3か月未満では、チアノーゼや無呼吸発作を起こしやすい。
ウイルス感染なので基本的には対処療法。
呼吸悪化など入院を考慮するお子さん以外は検査の意義は少ない

RSウイルスってなに?

 

RSウイルスは、2歳までにほぼ100%のお子さんが感染する呼吸器感染症です。冬季に流行し、2歳以上では風邪症状で済むことがほとんどですが、1歳未満、特に新生児の感染では、非常に重篤な呼吸器症状を引き起こすことがあるため、注意が必要なウイルスです。「RSウイルスが保育園で流行っているので検査してください」と受診するパパやママがいらっしゃいますが、RSウイルスに感染した際に、リスクが高い年齢か判断する必要があります。2歳以上では基礎疾患(心臓、呼吸器の病気、重症な喘息)などがない場合には検査する意義はあまり高くないと考えます。鼻に綿棒を入れるのは痛いですしね。1回で免疫ができるものではないので、大人になるまで何度も感染するのが特徴です。年長児や大人に感染した場合は単なる風邪で済むことが多いです。

どんな症状があるの?

咳や鼻水といったいわゆる風邪の症状が出ます。呼吸障害を起こしやすいウイルスなので、息を吐く時に喘鳴(「ひゅーひゅー」「ぜーぜー」)などの音がする時、努力呼吸(肩で頑張って呼吸している)、陥没呼吸(肋骨がぺこぺこ凹む)などを認める、顔色が悪い、活気がない時などは、単なる風邪症状のほかに、呼吸障害が起きており、気管支炎、細気管支炎、肺炎などを起こしている可能性もあります。この場合は医療機関を受診することを考えてください。また3か月未満のお子さんでは無呼吸発作という呼吸を止めるような発作を起こすこともあるので、注意が必要です

治療はどうするの?

RSウイルスに効くお薬はないので、対処療法(お子さんにある症状を取る治療)がメインになります。風邪の原因となるウイルスの中でも、咳、鼻水などの症状が強く出るウイルスの代表なので、咳などの症状がよくなるのには数週間かかることもあります。呼吸障害を起こしているときは、喘息の治療と同じく、気管支拡張薬(内服、テープ、吸入)を投与することもあります。発熱が3−5日程度続く場合には2次感染を起こして、肺炎や中耳炎を起こすことがあるので必ず医療機関を受診してください

また感染後、空気の通り道の過敏さが増して長期に咳が続く体質になるお子さんもいます。(喘息性気管支炎の発症)
この場合に行う予防の治療もあるので、その際はクリニックで相談してください。

基本的な予防は、頻回の手洗い、うがいや、マスク着用になります。

お困りの際はいつでもご受診ください。

ではまた!