子どもの病気コラム
【医師解説】停留精巣・移動性精巣とは?原因・治療時期・家庭での確認法を解説
こんにちは。Sunnyキッズクリニックです。
健診で「精巣が触れにくい」と言われて、心配されている保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は停留精巣(ていりゅうせいそう)と移動性精巣(いどうせいせいそう)について詳しく解説します。
大切なポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 病気の概要 | 停留精巣:精巣が陰嚢まで下降していない状態 移動性精巣:精巣が陰嚢と鼠径部を行き来する状態 |
| 主な症状 | 陰嚢内に精巣が触れない、左右差がある |
| 注意が必要なサイン | 生後6か月を過ぎても精巣が陰嚢内に降りていない場合 |
| 治療法 | 停留精巣:1歳前後~2歳までに精巣固定術 移動性精巣:基本は経過観察 |
| 家庭でできること | 入浴時にリラックスした状態で精巣の位置を確認 |
1. 停留精巣とは?
胎児期の発生過程で精巣の下降が途中で止まってしまい、精巣が陰嚢(いんのう)まで降りていない状態を停留精巣といいます。
陰嚢内は腹腔内より約4℃低く、精子形成に最適な環境です。腹腔内に精巣が留まると以下のリスクがあります。
- 造精機能の低下(将来の男性不妊の原因)
- 悪性腫瘍のリスク上昇
- 鼠径ヘルニアの合併
- 精巣捻転の原因
2. 発生頻度は?
- 新生児期:4.1~6.9%
- 1歳時:1.0~1.7%
- 低出生体重児・早産児ではより高頻度
60~70%が生後3か月までに自然下降し、遅くとも生後6か月には完了するとされています。
3. 移動性精巣とは?
精巣下降は完了し陰嚢内に精巣は存在するものの、陰嚢底部への固定が不十分なため、精巣が陰嚢底部から鼠径部まで容易に移動する状態です。
停留精巣との見分け方:
- 移動性精巣:用手的に陰嚢底部まで引き下ろせる。手を離してもしばらくとどまる
- 停留精巣:引き下ろしてもとどまらない
寒い時や緊張時に精巣が挙上しやすいため、入浴時など温かくリラックスした状態で確認するのがポイントです。
4. 治療・対応
停留精巣の場合
生後6か月までは自然下降が期待できるため経過観察します。自然下降しない場合は1歳前後~2歳までに精巣固定術を行うことが推奨されています。
移動性精巣の場合
一般的には成長とともに陰嚢内に固定されるため治療不要です。ただし挙上精巣(陰嚢上部に癒着し引き下ろせない状態)になる場合や精巣の発育障害がある場合は手術を検討します。年1~2回のフォローアップが推奨されています。
よくある質問(Q&A)
Q. 健診で精巣が触れないと言われました。すぐ手術ですか?
A. 生後6か月以内なら自然下降の可能性があります。まずは経過観察し、定期的に医師の診察を受けましょう。
Q. 移動性精巣は治療が必要ですか?
A. 多くの場合は成長とともに自然に固定されます。ただし年1~2回の定期フォローは必要です。
Q. 家庭で確認する方法はありますか?
A. 入浴時などリラックスした温かい環境で、陰嚢内に精巣が触れるか確認してください。
まとめ
停留精巣・移動性精巣は乳幼児健診で指摘されることが多い症状です。適切な時期に対応すれば、多くの場合良好な経過が期待できます。お子さんの精巣の位置が気になる方は、お気軽にSunnyキッズクリニックにご相談ください。
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